トキの里山を歩こう!
トキを野生に戻すための「野生復帰ビジョン」に基づき、トキが暮らすための里山を再生するさまざまな活動が行われている。佐渡観光協会では、その里山をエコツアーガイドとともに巡る里山ハイキングを実施。ガイドのお一人である重政治巳さんに、里山ハイキングの魅力を紹介してもらおう。
※エコツアーガイドの詳細はこちら

かつて300枚もの棚田があったキセン城を歩く
日本風景街道に選定されている「佐渡國しま海道」の「トキ街道・やま道」エリアがハイキングの舞台だ。小佐渡東部の標高300〜460mの里山。1960年頃から休耕田になっているキセン城(じょう)、92年まで佐渡トキ保護センターがあった清水平、かつての住民が守り続けている生椿(はえつばき)を周遊する。現在実際に案内しているのは一部のコースだが、今年の秋から徐々にコースを拡大していく予定だ。
キセン城は放棄されて雑木林になっているが、かつては300枚もの棚田が存在していた。新潟大学本間航介准教授が中心となって棚田の復元作業や管理、データ収集が始まり、2003年からは「新潟大学トキ野生復帰プロジェクト」として作業と研究が続けられている。
トキが暮らす里山の条件は「まずエサがあること。次に休むことができる枝振りのいい木があること。そして営巣できる木があること」と重政さんが説明してくれた。キセン城ではその条件に合う木を選定していきながら、無駄な木を伐採し、かつての棚田を復元。今まで手がけてきた棚田は100枚以上。ナンバープレートが立つ完成した棚田や、これから整備を進める林についての説明を受けながら、里山を歩いていく。長靴を履いているので、湧き水や小川も、童心に返ってじゃぶじゃぶと歩ける。こんな体験も新鮮で楽しい。「棚田の復元も、ただ作ればよいというものではないんです。うねがなだらかで、動植物が田と周辺の森を行き来できることが大切」と重政さん。緩やかな登り道のコースは、再生途中の炭焼き小屋を過ぎるとゴール間近。清水平池の土手を登った先に、湖面に木々を映し出す美しい池が広がる。「清水平池の紅葉がまた、すばらしいですよ」。

周囲にある必要な大木を残し、田の中の木を伐採して棚田を再生していく

里山を案内してくれたエコツアーガイドの重政治巳さん

キセン城のビオトープ。作業段階を表すナンバープレートが立っている

長靴はトキ交流会館で貸してくれる。清水に足を踏み入れる爽快感がたまらない
地元ボランティアが整備するビオトープで作業も

清水平のビオトープ。ロッジはトキどき応援団の拠点。休憩もできる

尾根ルートからキセン城のビオトープを俯瞰する

新穂から清水平への林道途中には、金北山と国仲平野を一望できるスポットもある
清水平は02年に発足した「トキどき応援団」が棚田の管理や維持を行っている。団員による月1回の作業には、小学生や一般の人たちなどさまざまな人が協力している。里山ハイキングの途中、「時間が許せばここであぜ作りの作業などをしてもらっています。実際に田んぼに入るのは初めての方も多く、とても楽しそうに作業していますよ」。
清水平から生椿までの道は明るい林道で、途中に「鉈切り地蔵」や復元された「トキ観察小屋」がある。生椿とキセン城間は国有林沿いの尾根道を進むコースで(整備中)、尾根からキセン城の再生された棚田を俯瞰できるのが魅力だ。「トキと同じ目線でキセン城を見ることができます」と重政さん。広大な里山に再生されるビオトープ。その舞台を歩きながら、動植物、そして佐渡の人とトキとのかかわりに思いをはせる。この空にトキが舞い、大木にトキが羽を休める姿を想像しながら歩きたい。
トキの里山を歩こう
トキの里山ハイキング(9月30日まで)
- 料金:1人6800円(中学生以上、未成年は保護者同伴)
- 所要時間:約4時間30分
- 3名より実施(3日前までに要予約)
※詳細はこちらをご覧ください。
トキの里山ハイキング1日コース(10月1日〜11月25日)
- 料金:1人10,500円(中学生以上、未成年は保護者同伴)
- 所要時間:約6時間40分
- 2名より実施(3日前までに要予約)
※詳細はこちらをご覧ください。
