うまさがより深まる、地ブランド「佐渡寒ブリ」講座

佐渡で揚がる寒ブリはどうしておいしいのか? その秘密と、県をあげてPRが展開されている「佐渡一番寒ブリ」について、新潟県佐渡地域振興局農林水産振興部の片野卓(たかし)課長に伺った。

"ブリおこし"が鳴ると、南下途中のブリは両津湾へ

まずは寒ブリが佐渡の両津湾にやってくるまでの、ブリの回遊システムを教えてもらおう。「ブリの産卵場所は東シナ海から日本海南西。その後3歳頃から大回遊を始めます。日本海を北上し、7月〜10月頃には北海道でたっぷりえさを食べて太り、11月に水温が下がってくると南下を開始。しけて“ブリおこし"と呼ばれる雷が鳴ると、そこを避けておだやかな両津湾に入ってくるのです」と片野さん。

現在、北から鷲崎、黒姫、和木、白瀬、大川の5カ所で大型定置網による大謀網漁が行われている。その歴史をひもとくと「明治44年頃、和木で大阪の水産会社によって始まりました。大正10年には白瀬に越中式大謀網が投網され、昭和11年には地元会社での漁がスタート。昭和20年から30年代は豊漁で、その収益で整備された鷲崎方面の道路は「ブリ道路」とも呼ばれています。漁獲量は平成16年の690トンをピークに、ここ数年は減少しています。昨年も厳しい状況でしたが、今年は資源的には悪くないようです。あとはいかに両津湾に入ってくれるかですね」と、片野さんは今季の豊漁に期待を寄せる。

「11月は幸先がよかったので、年末年始の水揚げに期待したいですね」と片野卓課長

12kgの「佐渡一番寒ブリ」。丸み、色、つや……どれも申し分なし

「佐渡一番寒ブリ」はここまでこだわる!

出世魚であるブリは一年で1kgほどになり、それまでは「フクラギ(イナダ)」と呼ばれ、2年で3kgほどに。この時期は「ワラサ」。そして3kg以上が「ブリ」と呼ばれ、3年で5kg、3年半で10kgほどに成長する。新潟県ではコシヒカリに次ぐブランドとして、寒ブリの中でもさらに条件を設け、「佐渡一番寒ブリ」としてのPRを平成18年から始めた。

「南下を始めて一番最初に水揚げされるのがここ佐渡。寒ブリ漁は佐渡から始まるという意味が込められています」と片野さん。「佐渡一番寒ブリ」と名乗るための条件は「大きさは10kg以上。そして脂質含有量を測り、脂が乗っておいしいものを選りすぐります」。おいしさを保つため、漁獲後の処理にも条件が。「漁獲後すぐに血抜きをし、海洋深層水を使った氷でしっかりしめます。体の中まで冷やすことで、おいしさが保たれます。そして出荷の際はいつ、だれが、どこで水揚げしたかがわかる証明書をつけます。また、3kg〜10kgのものには『寒ブリ』のシールを付けて出荷します」。

「佐渡一番寒ブリ」は島内12、新潟市内8の仲買店で取り扱っている。寿司屋や割烹、宿、そしてイベントでも味わうことができる。

この脂肪計で、遠赤外線を使ってブリの脂を測る。15%以上脂が乗っているのが基準

ポスターを掲示し、新潟ブランドとしての寒ブリの認知度を高めている

佐渡寒ブリを扱う鮮魚店や飲食店には、こののぼりが立つ

うまさがより深まる、地ブランド「佐渡寒ブリ」講座まずは王道。寿司屋で佐渡寒ブリをいただく刺身・ブリ鍋・即売、寒ブリをイベントで味わい尽くす

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