お正月

佐渡は比較的温暖な気候のため、大雪になることはあまりありませんが、それでもその寒さや空気は北国の厳しさを感じさせます。大佐渡・小佐渡の山々は真白に雪化粧をし、広がる裾野は青白く、山全体が静けさに満ちています。反対に、島をとりかこむ海は「これぞ日本海」という風に、荒々しく岩肌をたたきつけています。

この季節の佐渡は、古い風習や信仰に従った正月準備に始まり、さまざまな行事で島全体が忙しく、静かな活気に満ちています。準備をしながら往く年の年を振り返り、また来る年への期待を膨らませます。

トシヤソバ・寿命ソバ

大晦日の晩に食べる夜食で、正月神の降臨を待って、神とのナオラエ(直食)をなし、そそ加護を受け、健康や長寿を願う古くからの信仰。

初詣(二年詣り)

三が日にオヤ神さま(鎮守さま)へお参りし、その年の幸を祈るものです。また大晦日の夜から参拝し、年と年の境を確かめる「二年詣り」をする人も多くみられます。

胴押し

1月3日に両津地区月布施の毘沙門堂で行われるもので、僧の読経の後、裸になった「鬼」と呼ばれる奉仕者によって行われます。これは厄払いの行事として伝えられているもの。囲炉裏に豆殻が燃やされ、鬼たちは堂内の板壁を打ち叩き、床を踏み鳴らします。やがて、大の字になった25歳と42歳の厄年の男を鬼たちが担ぎ持ち上げ、堂の中を押し回ります。最後に堂守により「片野尾山の甚六郎三斗三升のみごくう」と堂の正面で飯櫃(めしびつ)を高く持ち上げた後、ドウ押しをしてもらい行事は終了します。

締張馬

羽茂地区の締張では厄除けとして1月4日にワラで作った馬や草履を縄につけ、その縄を集落の入口につるす風習があります。

六日年越し

正月六日の晩を「オヤガミさんのトシトリの晩」と言い、一家そろってお宮参りをし、翌七日の朝には七草粥を煮ます。

マユダマ・イナボウ(稲穂)・アワボウ(粟穂)

小正月14日に飾る、その年の実りを祈る農事模擬の予祝行事。餅をわらしべに稲や粟の穂のようにつけて小黒柱にぶらさげます。相川地区の小田では、白井鏡餅をイナボウ、粟の餅をアワボウとび親しまれています。

春駒(はるごま)

佐渡では「ハリゴマ」と呼ばれ、正月だけではなく結婚式などのおめでたい席でも披露される伝統的な民俗芸能です。金山の大繁栄をもたらした味方但馬の姿を模った奇妙な面をつけ、めでたい言葉を調子よく述べながら踊って家々をまわる門つけ芸能です。男春駒は張りぼての馬の首を前に、ザル型の尻を後ろにつけて乗馬姿を見せています。これに対し、女春駒はひょっとこの面に馬の首を手に持って踊ります。いずれの形も新春を飾る楽しく明るい踊りです。

火祭り(トウドヤ・トウラヤ・ドンド焼きなど)

地域によって呼び方は違いますが、小正月一五日に藁や竹でだ櫓や小さな小屋のようなものを建て、それに火をくべて正月飾りを燃やします。邪悪を払い、火災などの災難をよけ、家族の一年の平安を願うという思いが込められています。また、書き初めで書いた習字を一緒に火にくべ、上達を願うという風習もあります。

鳥追い

小正月16日に子供たちが「鳥追い」の歌を歌いながら家々を回ります。歌には、田の害になる鳥を追い払い、豊作を願うという意味が込められています。

田遊び

畑野地区大久保の白山神社に古くから伝わる神事で、県の無形文化財に指定されています。豊作を神に祈るために行われるもので、神前で田起こし、種蒔、田植、刈り取りといった一年間の田での農作業を所作で演じる一種の予祝神事です。

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