早春
2月から3月にかけてはまだまだ寒さも残りますが、雪解けとともに山や里ではフキノトウやワラビなどのさまざまな山菜が土の中から顔を出し、芽吹きの季節を知らせてくれます。また海でも春ならではの海藻が採れるようになります。この頃になると島のあちらこちらで村祭りが開かれるようになり、人々の生活も活気を取りもどし始めます。
節分

立春の前日、夕方に家や納屋・蔵の入口に「十二月」と書いたお札を一対たてます。節分の豆は年男が煎り、大声で唱えごとを言いながら豆をまきます。家族は自分の年の数だけ食べ、息災を願います。この風習は全国にもまだまだ多く残っているものですが、佐渡の両津地区のものは一味変ったもの。昔、鬼に助けてもらったお礼として「鬼は外」ではなく「鬼も内」と掛け声をあげます。
ひな祭り

桃の節句のひな祭りにはどこでも人形とともに甘酒、菱餅、桃の花をかざり、供えますが、佐渡では色を付けた団子を花などの型に押し込み、あんを入れて蒸した「おこし型・やせうま」や、色つき団子で金太郎あめのようにして作る「しんこ」が飾られ、まだ春浅い季節に華やぎを添えています。また、佐渡は歴史の古い土地。代々古くから伝わる様々な雛人形は華麗で、荘厳。近年ではこの季節になると家々に伝わる人形を地域で公開するところもあり、地域を散策しながら、家にあがって人形を所有する家人からその歴史を聞くことができます。
倉谷の大わらじ

真野地区・大倉谷の入り口の両脇には、幅約1メートル、長さ1.8メートルの大わらじが吊るされています。これはここにはこんな大男がいるぞと誇張し、悪者や厄病神を防ぐというのが起源とされています。この頃になると集落の人々によってつくられたこの大わらじ吊りがおこなわれます。
御田植えと田遊び

正月に行われる大久保の田遊びに並び、予祝神事として行われるもの。赤泊地区の下川茂の五所神社では「御田植え」神事が2月6日に行われます。神事を執り行う宮方7人は代々世襲された家。神前で田植えの様子を演じるもので県の無形文化財に指定されています。小木地区の小比叡神社では「田遊び」神事が行われます。神前で田打ちから刈入までの田仕事を演じます。モグラやカラスなどが現れるその様子は神事というよりも狂言の色が濃いのが特徴です。なお、「御田植え」、「田遊び」ともに女人禁制の神事です。
岩のり取り
まだ海水の冷たい頃、海岸の岩に張り付いた岩のりをとる姿を目にするようになります。採った岩のりは天日干しし、味噌汁等にはなして食べ、磯の香りを楽しみます。
