春から初夏へ

春の訪れとともに山野では一斉に花々が咲きほこり、島全体が華やかで暖かい雰囲気に包まれます。特に大佐渡の山間では珍しい山野草が群生する姿は圧巻で、トレッキングや登山に訪れる人の目を楽しませてくれます。また、夏が近づく6月頃には、小川の近くで飛び交う蛍を目にするようになり、満天の星に溶け合うように飛び交う光は幻想そのものです。

春から夏は村祭りの季節。特に4月はほとんど毎日島内各地で古くからの伝統を受け継いだ祭りや芸能が繰り広げられます。また、能が盛んな佐渡では、このころから秋にかけて特に能舞が多く、暗闇の中で薪を焚いて行われる「薪能」は幽玄の世界へと誘ってくれます。

山野草

まだ人のが入っていないところが多い山間部には今も珍しい山野草が顔を見せます。特に春の大佐渡の山々ではシラネアオイ・カタクリ・ユキワリソウ・チゴユリ・ザゼンソウなど、その他さまざまな花が群生し、訪れた人を迎えてくれます。

春まつり

島内全島が伝統と芸能に染まるこの季節。各神社で古式にのっとった流鏑馬や神楽、神輿渡御、下り羽、鬼太鼓、獅子踊り、花笠踊り、つぶろさしなど古式にのっとった神事芸能や郷土芸能が奉納されます。これらの芸能はそれぞれをとっても地域によって様式や装束も異なり、華やかさの中にも伝統の重みと深さを感じさせてくれ、とても見ごたえがあります。

桜まつり

佐渡では島内いたるところに桜の木があり、桜の季節になると桜の淡い色があたりを染めます。いわれのある木や古木、大木もあり、神社や寺の境内にあるものは建物の見事さと相まってまるで絵画のような美しさです。真野公園や新穂ダムでは毎年満開の桜の下桜まつりが開かれ、鬼太鼓や芸能が披露され、祭りを盛り上げます。夜にはライトアップをするところも多く、夜の暗闇に浮かびあがる桜花は、何とも言えない情緒があります。

田植え

田植えは単なる生産労働ではありません。正月から早春に行われる田植えにまつわる神事があるように、佐渡では古来、田植え自体が厳粛な神事作業であり、華やいだ祭りでもありました。佐渡は言わずと知れた米どころ。今では機械作業で田植えをする家がほとんどですが、機械の入らない小さな田や補植で手植えを目にすることができ、今でも農家にとっては家族総出の一大イベントです。田植えが終わったばかりの田には、まだ頼りなく小さな苗が水田の水面に影を映しながら風に揺れる「懐かし風景」が現れます。

端午の節句

男の子の節句に当たるこの日には、神仏にショウブとヨモギ・カヤを供え、家・蔵・納屋の屋根にもさします。また、この晩にショウブ湯に入ると丈夫になるとか、蛇に噛まれないといういわれから、この風習を守る家も多く残っています

カンゾウ

山形県の飛島・酒田と佐渡だけに分布する花。5月終わりから6月中頃にかけて島内各地で見ることができますが、特に両津地区の大野亀や二ツ亀に群生しており、佐渡を代表する景観の一つになっています。

ほたる

自然豊かな佐渡にはまだまだ清流が多く残されているため、夏が近づくと田んぼや小川の近くで蛍の舞飛ぶ姿を見ることができます。都会と違い、夜の町の光が強くなく、夜空に広がる星もはっきりと見える佐渡。静かな小川の近く、川のせせらぎを聞きながら夜の星にとけるように舞飛ぶ柔らかな光を見るのは、とても幻想的でロマンティックです。

薪能

世阿弥の配流以来、佐渡に根付き伝承されてきた代表的な芸能。「鶯や十戸の村の能舞台」と歌にも詠まれるほど盛んで、かつては島内に200を超える能舞台がありました。今も30以上の能舞台が現存しており、演能が行われます。特に毎年6月は能月間として島内各地の能舞台で薪能が行われ、幽玄の世界にひたることができます。

ぼたん

このころになると、大和の長谷寺を模した佐渡市長谷の古刹・長谷寺の参道にうえられたボタンの古木が色とりどりの花を咲かせ、境内はボタンの花の香りで包まれます。

アジサイ

6月に入ると島内各地でアジサイの花が開花します。特に別名「アジサイ寺」と呼ばれ、重要文化財に指定されている建築物が多くある蓮華峰寺では、その名の通り広い敷地に植えられた無数のアジサイが一斉に花を開きます。

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