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2023.10.02

佐渡産椿オイルの伝統をつないでいく「椿屋陶芸館」【佐渡市ふるさと納税】

佐渡の玄関口である両津港から国道350号線沿いに車を走らせること15分。右手に「椿屋陶芸館」という大きな看板がみえてきます。椿屋の名前にもなっている佐渡産「椿オイル」の製造を営む佐々木さんにお話を聞いてきました。

佐々木恵里紗 (ささきえりさ)

椿屋陶芸館 店長

1979年 佐渡市金井地区生まれ
高校卒業後、進学のため東京へ。
20年前に家業を手伝うため佐渡にUターンする。
現在は、「椿屋陶芸館」の店長として椿油の製造販売のほか、椿油を使った佐渡産十割そばをメインとした食事を調理提供している。
最近の息抜きは、お子さんのスポーツの応援。

    知られざる佐渡の椿オイル歴史

    佐渡と椿のつながりは深く、江戸時代には佐渡奉行所直轄「ツバキ御林」があり、天保年間(1830-43)には6567本の椿が生息していたといわれています。また、戦前には長崎・五島列島についで日本で2位を誇るほど島内で椿オイルの製造が盛んに行われ、ときには米1升以上の値段で取引されていた貴重な椿油は、島の大切な収入源でもありました。
    島の西部に位置する真野地区の田切須(たぎりす)では、樹齢100~200年のツバキ林がいまも現存しており、近くには「田切須の大椿」と呼ばれる樹齢750年の巨木もあるそうです。

    佐々木さんのご両親は、体調のすぐれなかった祖父のために身体に良いものを調べるなかで、椿オイルの製造を始めました。
    「当時は、オリーブオイルが"体にいい"とブームになっていました。椿オイルは、オリーブオイルに比べてオレイン酸が多くリノール酸の少ないという理想のオイルだったこと、さらに無農薬の佐渡の椿や歴史もあり、日本海側の厳しい冬でも美しい葉をつけている。その種だから身体に悪いはずがない。そう信じ、農村婦人部の方々の協力のもと種の買い取りを始めたと聞いています。」
    活動を通じて、自分たちだけでなく島全体で取り組みたいと考え、現在では小さな子供さんからハンディキャップをお持ちの方、お年寄りまで約200人の関係者で椿を採取しています。

    丁寧に手搾りで仕上げるコールドプレス製法

    本格的に椿オイルの製造に取り組んでからは色々な製造方法を試したそうです。火の加減や搾り方など試行錯誤を経て、10年かけてたどりついたのが熱も水分も加えず加圧だけで液状の油分を分離する“コールドプレス製法”でした。
    椿オイルの製造では「蒸す」製法が一般的な中で、コールドプレス製法は加圧のみのため時間がかかります。その分、香りが強くなりにくいこと、抗酸化物質が壊れにくいなどの特長があるそうです。

    佐渡は日本の椿の分布の中でも北端に位置します。厳しい冬の影響で虫がつきにくいという特長があり、本来は防除等で必要となる農薬を使用していません。また、佐々木さんは、自然なものにこだわりたいという思いから、化学薬品や有機溶剤を使わない形で製品づくりをしています。
    製造した椿オイルは、ドレッシングや揚げ物用など”食用”としても使えるため、繊細な肌や髪にも安心して使用できます。購入した方からは「肌ざわりがさらっとしているという声が多い」と嬉しそうに話してくれました。

    佐渡の椿文化を広めていくために

    今後について伺うと、「まずは椿の文化を多くの方にぜひ知ってほしいです。そして、先人から受け継いできた佐渡の椿オイルの製造を少しでも長く続けていきたい」と語ってくれました。
    また、知っていただく取り組みとして、収穫時期に、椿の種の選別・洗浄・搾油など体験など今後考えていきたいと抱負をいただきました。

    椿オイルSADO

    寄付金額:15,000円

    [編集後記]
    実は、佐々木さんのお父様は陶芸家でもあり風の窯を営んでいます。陶芸に興味がある方をはじめ色々な方に見てほしいと、椿屋陶芸館では椿オイルの販売のほか、島内の様々な窯元の作品を展示・販売しています。また、食事をとってゆっくりご覧いただけるよう、佐渡産のそば粉に椿オイルを練り込んだ十割蕎麦を堪能できる椿茶屋も併設しています。
    船が到着する両津港から、佐渡金山のある相川・たらい舟のある小木に向かう道中にあり、アクセスも抜群!佐渡に来た際にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか・・?

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