佐渡とは

更新日:2016.03.31

佐渡には大きく分けて3つの文化の特徴があります。流罪によって流された貴族や知識人たちが伝えた貴族文化、鉱山の発展により奉行や役人たちが江戸から持ち込んだ武家文化、北前船によって商人や船乗りたちが運んできた町人文化があり、これらが融合し育まれた文化は日本の縮図と言われています。

伝統文化

能楽

能楽

かつて、農家の人たちが畑仕事で謡曲を口ずさむ日常を「鶯や十戸の村の能舞台」と歌人である大町桂月が詠んだ句のとおり、能が暮らしの中に溶け込んでいる全国でも珍しい地域です。最も盛んだった時代には200以上の能舞台があったといわれ、今でも30以上の能舞台が残されており、日本の能舞台の3分の1に相当します。能の大成者・世阿弥が流された地であり、古くからゆかりの深い場所であった佐渡ですが、ここまでの広がりを見せたのは、江戸時代に能楽師出身の佐渡代官(初代佐渡奉行)の大久保長安が奈良から2人の能楽師を連れて来たことが大きく影響しています。佐渡の能は、もともとは武士の教養だった能が神事能として島内に広がり、村人が舞い・謡い・観るという娯楽に変化していったことが最も大きな特徴です。その名残として、現存する能舞台の多くは村の共有財産でもある神社の境内に建てられています。今なお受け継がれている佐渡の能は6月から8月に集中し、特に6月は薪能月間として毎週どこかで観ることができます。また、実際に演能で使用される能舞台で「能・仕舞体験」をすることもできます。

佐渡おけさ

佐渡おけさ

元唄は九州のハイヤ節という酒盛り唄といわれ、船乗りによって佐渡の小木地区に上陸し、座敷唄から盆踊唄化し、金山の選鉱場で唄われるようになりました。1924年に設立した民謡団体「立浪会」の村田文三の歌声により「正調佐渡おけさ」として世に出してから一躍有名になりました。哀調を帯びた節と洗練された優雅な踊りは、日本を代表する民謡となっています。

鬼太鼓(おんでこ)

鬼太鼓(おんでこ)

その年の五穀豊穣や大漁、家内安全を祈りながら集落の家々の厄を払うもので、島内の多くの祭礼で舞われる佐渡にしかない代表的な伝統芸能です。島内には約120地区の鬼太鼓があると言われています。大きく分けると「豆まき流」「一足流」「前浜流」「花笠流」「潟上流」の5流に分けられますが、一口に鬼太鼓といっても、集落によって違うため、同じものは1つもないと言えます。毎年5月に両津地区で開催される「佐渡國鬼太鼓どっとこむ」では各地区から集まった様々な鬼太鼓を観ることができます。

豆まき流
素襖姿で烏帽子をかぶった翁が升を持ち、太鼓に合わせて長い袖を振りながら舞います。
一足流
江戸時代、相川で鬼太鼓といわれた原型で、太鼓に合わせて片足でケンケンするように踊ります。
前浜流
2匹の鬼が笛と太鼓に合わせて踊ります。ローソという、いわば「鬼太鼓の案内人」が加わる集落もあり、ご祝儀を頂いた家で口上を述べます。
花笠流
花笠踊りの演目の1つとして行われるもので、1匹の鬼がしっとりと舞います。地元では「鬼舞」「鬼の舞」と呼ばれています。
潟上流
阿吽一対の鬼が交互に舞います。獅子が絡む集落もあり、島内で最も多く踊られています。

人形芝居

人形芝居

佐渡には説教人形・のろま人形・文弥人形と3種類の人形芝居があります。これらはすべて「佐渡の人形芝居」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。説教人形は説教節の語りに合わせて演じられ、のろま人形と合せて演じられます。のろま人形は素朴な佐渡の方言で語られ、幕間狂言として登場することが一般的です。文弥人形は当初文弥節が伝わり、三味線の弾き語りとして語り継がれましたが、1870年頃に人形遣いと語りによる芝居が確立したと言われています。 のろま人形 出張上演について

春駒(はりごま)

春駒(はりごま)

木製の馬の首にまたがり、地唄に合わせて祝いの言葉を述べながら舞い踊る門付けで、正月や祝い事に欠かせない伝統芸能です。相川地区の春駒で使われる黒褐色で頬のゆがんだ奇怪な面は、江戸時代初期に相川金銀山の山師で最も活躍した味方但馬の顔つきともいわれています。

つぶろさし

つぶろさし

新潟県の無形民俗文化財に指定されている佐渡の太神楽舞楽の1つで、羽茂地区にある菅原神社に奉納され、氏子を門付けしてまわる太神楽です。同じ系統の神楽に「鬼舞つぶろさし」や小木地区では「大々神楽」や「ちとちんとん」があります。「つぶろ」は男性器のことで、「さし」はさするの転化といわれ、子孫繁栄や豊作を祈る原始的な民俗芸能です。

花笠踊り

花笠踊り

新潟県の無形民俗文化財に指定されている五穀豊穣を祈願する芸能で、踊り子が赤・黄・青・紫・白の花がついた笠をかぶって踊ることからその名がつきました。田植えを祝う「御田踊」、豊作を祝う「神事踊」、収穫を祝う「千代踊」「金田踊」からなります。その他に獅子や鬼の踊りなどが加わります。とりわけ、両津地区にある久知八幡宮で9月中旬に行われるものは大掛かりで華やかです。

相川音頭

相川音頭

盆踊りの起源については定かではありませんが、佐渡で最も古い歴史があるものです。その盆踊りで唄われる歌詞は心中ものや時事を扱ったものなど様々なジャンルがあります。中でも佐渡奉行の御前踊りで唄われた源平軍談は現在でも唄われています。男性的でめりはりの利いた優雅な踊りで、毎年6月初旬に相川地区で開催される「宵乃舞」で観ることができます。

両津甚句

両津地域に伝わる盆踊唄です。音楽的には「おけさ」以上に優れていると言われていますが、節回しが独特でやや難しいため、玄人うけする民謡と言われています。いつ頃から唄われるようになったのかは定かではありませんが、佐渡民謡の中でも代表的なものとして人気があります。

伝統工芸

無名異焼

無名異焼 無名異焼

「無名異」とは、佐渡金山周辺から採れる酸化鉄を含んだ赤い土の名前で、これを粘土に混ぜて高温で焼き締めた佐渡独特の陶器です。製品としては非常に硬く、たたくと澄んだ金属音がします。使い込むほどに光沢を増してくるのが魅力で、日用品から美術工芸品まで様々な種類があります。相川地区には人間国宝に認定されている伊藤赤水の窯元があり、無名異焼の里として広く知られています。

蝋型鋳金

鋳金とは、溶かした金属を空洞化された鋳型に流し込むことで、器や美術作品を作る金工の技法で、作品の原型を蝋で作ったものを蝋型鋳金と呼びます。鋳型は土で作られ、固まった作品を取り出すためには鋳型を壊さなければならないので、1つの型から1つの作品しかできない大変貴重で珍しい伝統工芸です。この工芸技術は、江戸時代に佐渡奉行の命により大砲を鋳造し、その砲身の模様を蝋型で鋳造したことが始まりと言われています。中でも、人間国宝に認定された佐々木象堂の作品は、佐渡汽船新潟港ターミナルの待合室に展示してある他、佐渡歴史伝説館内にある佐々木象堂記念館で見ることができます。

裂き織り

縦糸にはフジやシナなどの植物の皮からとった繊維や木綿糸などを使い、横糸に使い古した衣服や布地を細かく裂いた古木綿を使って再び織り直した再生布です。丈夫で雨や風を通しにくいため、かつては仕事着として愛用されていました。現在では、風合いや色の取り合わせの美しさが注目され、バッグやテーブルクロス、小物類など多彩な民芸品や絵画のように美しいタペストリーなどの芸術作品が作られています。

竹細工

竹細工 竹細工

佐渡は古くから良質な竹の産地として知られ、自生の竹・笹が20種類以上あるといわれています。竹かごやザルなど日用品のほか、小さなアクセサリーや人形などが作られ、定番土産となっています。また、民芸品のみならず、竹芸作家による繊細で大胆な竹芸作品は芸術品として国内外で高く評価されています。