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金銀山の歴史を学びに相川へ。史跡や注目のスポットを巡り、街を歩く一日はいかが?

金銀山の歴史を学びに相川へ。史跡や注目のスポットを巡り、街を歩く一日はいかが?

佐渡旅にぜひ、訪れてみてほしいのが相川エリアです。なぜかと言えば、世界文化遺産の登録に期待がかかる金銀山のある場所だから。戦国時代末から江戸時代、そして平成まで続いた金銀の生産。その歴史を辿れば、さらに深く佐渡という島を知ることができます。

ライター:風間彰充 かざまあきみつ(「月刊にいがた」「さどぼん」編集者)

新潟ライフを楽しむローカルマガジン「月刊にいがた」、佐渡の観光ガイドブック「さどぼん」の編集者。いつもは新潟市、ときどき佐渡。佐渡に滞在する時は朝から晩までカメラを片手に島内を駆け巡り取材。美しい景色、地元で愛されるいい店、おいしいもの、出会ってほしい人を島外に向けて発信中!

きらりうむ佐渡

金銀山の歴史を学ぶ旅のスタート地点となる施設。まずはここに立ち寄って。

  • 「佐渡島(さど)の金山」の名称で世界文化遺産を目指す佐渡。その歴史をしっかりと学びたい時に訪れてほしいのがこの施設です。佐渡金銀山についてのさまざまな情報を発信しているほか、併設されている観光案内所で相川のまち歩きを楽しむための現地情報も手に入れられます。

  • 館内には4つのシアターがあり、プロジェクションマッピングや大型スクリーンに映し出される迫力ある映像で金銀生産の様子を分かりやすく解説しています。

  • 4~7分程度の映像を見て次のシアターに移動するスタイルなので、飽きることもありません。しかも、とても分かりやすい内容なので、大人から子どもまで楽しみながら佐渡金銀山のキホンを学ぶことができます。

  • 中世から現代に繋がる採掘の歴史を紹介する展示コーナーもあります。

  • 実物の26倍もの大きさがある金の小判模型があるので、記念撮影はお忘れなく! ここで金銀山についての基本を学んでから関連するスポットを巡ることで、より理解が深まりますし、その偉大なる価値を知ることができるはずです。

きらりうむ佐渡

  • 住所
    佐渡市相川三町目浜町18-1
  • 電話番号
    0259-74-2215
  • 営業時間
    8:30~17:00(展示室最終受付は16:30)
  • 定休日
    12/29~1/3
  • 料金
    大人300円、小中学生150円
  • 駐車場
    157台
  • リンク

北沢浮遊選鉱場跡

かつて東洋一を誇った圧倒的なスケールに驚く。近代鉱山の象徴的施設跡

  • どうですかこのビッグスケール! そして、まるで天空の城ラピュタのような雰囲気! 名前は北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)と言います。

  • 昼間は大迫力の全貌を見ることができますが、夜は期間限定でLED照明によるライトアップを楽しむことができます。

  • 夜間のライトアップは2023年2月28日(火)までの間、毎日実施中。17:00~22:00まで。

  • ここはかつて金銀山で採掘された鉱石を細かく砕き、金銀などの有用鉱物を抽出していた施設。月に5万トンもの鉱石を処理していたことから、かつて「東洋一」と言われていた近代鉱山の象徴的施設跡。今では佐渡の観光で外すことのできない場所にもなっています。敷地内には北沢Terraceというカフェもあるので、そこでゆっくりと景色を眺めながら食事やカフェタイムを過ごすのもいいですね。

  • 北沢浮遊選鉱場跡は、昼間、夕方、夜のライトアップ時と、その日の天候や時間によってさまざまな表情を見せてくれます。なので、カメラ好きのみなさんにもぜひ訪れてほしい場所。

  • クルマで3分ほどの高台に移動して総源寺というお寺の近くに行けば、このように全体を俯瞰で見渡すことができます。時間があれば、カメラを持って行ってみてください。ただし、道が狭いので運転には注意してください。

北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)

  • 住所
    佐渡市相川北沢町3-2
  • 電話番号
    0259-67-7602(佐渡市観光振興課)
  • ライトアップ期間
    17:00~22:00(2023年2月28日まで)
  • 駐車場
    30台

大間港跡

人造石護岸や鉱車の橋梁などの遺構が残る港。きれいな夕日も見られる

北沢浮遊選鉱場跡からクルマで移動すること3分ほど。金銀山から採掘した鉱石や石炭などを搬出入するために、明治時代中期に作られた港の跡です。

  • こちらが大間港跡。コンクリートが普及する以前に使われていた、伝統的な左官技術「たたき工法」による護岸や、トラス橋、ローダー橋と呼ばれる橋梁、クレーン台座などが当時の姿のまま残されています。ちなみに「たたき工法」というのは、消石灰と土砂を混ぜ、そこに水を入れて練り上げた「たたき」と石積みを組み合わせた技術で、当時は全国的に使われていた施工方法だったそうです。

  • 美しい海が眼前に広がり、遺構によるスタイリッシュな景観はぜひ見てほしいもの。この場所から採掘された鉱石が香川県直島まで運ばれていたと思うとロマンを感じますね。土木学会選奨土木遺産にも認定されている貴重な港の跡です。
    また、夕日がきれいなスポットとしても知られているので、日没近くの時間を狙って訪れてみるのもよいでしょう。

大間港跡(おおまこうあと)

  • 住所
    佐渡市相川柴町16
  • 駐車場
    あり

史跡 佐渡金山

およそ400年間におよぶ金銀山の歴史に迫る。あなたはどの見学コースを選ぶ?

きらりうむ佐渡、北沢浮遊選鉱場跡を訪れたなら、次は史跡 佐渡金山へ。実際に金銀の採掘が行われていた相川金銀山にある史跡で、江戸から平成までの388年間で金78トン、銀2,330トンを産出した長い歴史や採掘方法に触れることができます。ここでは4つの楽しみ方ができるので、順に紹介しましょう。

  • 初めて訪れる方や、30分程度で見学したい方には宗太夫坑(そうだゆうこう)コース。宗太夫坑とは、江戸初期に採掘された手掘り坑道のことで、地下深く掘り進んだ坑道跡に「佐渡金銀山絵巻」に描かれている採掘作業が、忠実に再現されています。

  • もうひとつが道遊坑(どうゆうこう)コース。近代の金山についてじっくりと学びたい人や「道遊の割戸」をバックに写真を撮りたい人はこちらのコースでどうぞ。

  • 道遊坑は明治32年に開削され、佐渡金銀山の近代化に大きく貢献しました。平成元年の休山まで採掘されていた採掘跡が現存していて、坑道を含めトロッコ、機械工場、粗砕場など多くの設備が操業当時の姿のままで残されています。そして、佐渡金銀山のシンボルともなっている「道遊の割戸」を間近に見ることができます。

  • 続いては上級者向けのガイド付 山師ツアー。すでに紹介した2つに行ったことのある方や「本物の坑道に入ってみたい!」という方はぜひ。ヘルメット着用、懐中電灯、長靴にレインコートという装備で当時のままの本物の坑道を歩くという体験ができます。もちろん私も一度行きましたが、ハッキリ言ってこれは本物の探検(笑)。当たり前ですが、スマホや懐中電灯を消すと、真の暗闇を味わうことができます。

  • 最後にお子さんを連れての家族旅行におすすめなのが、道遊坑コースを歩きながら体験できるウォークスルー型アトラクション、ISLAND MIRRORGE(アイランド・ミラージュ)です。最先端技術が集約されたMRグラスというメガネをかけて坑道を歩くというもの。

  • プロジェクションマッピングによる空間演出がとっても幻想的で、異世界に迷い込んだかのよう。ロールプレイングゲームの主人公になった気分で、新しい形で金山の坑道を歩くことができます。

最後にひとつだけ大事なアドバイス! 坑道内の気温は年間を通じて約10度前後となっていて、夏でもひんやりするほど。気温の高い時期でも、さっと羽織れる長袖の上着を持っていくことをお忘れなく。

史跡 佐渡金山(しせき さどきんざん)

  • 住所
    佐渡市下相川1305
  • 電話番号
    0259-74-2389
  • 営業時間
    8:00~17:30(4~10月)/8:30~17:00(11~3月)
  • 定休日
    無休
  • 駐車場
    500台

京町通り

江戸時代の面影残る風情ある坂道をゆっくり歩いて散策を

  • 相川金銀山と佐渡奉行所を結ぶかつてのメインストリートが京町通りです。佐渡奉行・荻原重秀の命によって、1712年に佐渡産の銅で鋳造された「時鐘」(じしょう)のある八百屋町から中京町、上京町へと坂道が続いています。

  • 奉行所から金山までは約1.2km。京町の名前の由来は京都や大阪から仕入れた絹布などを売る呉服屋が立ち並んでいたことから、そう呼ばれるようになったとのこと。
    江戸時代初期には繁華街として栄えた京町通り。鉱山関係者の社宅や多くの商店が軒を連ねていたようで、細い路地も随所に見られます。

  • 現在は古民家をいかしたカフェやレストランがあり、江戸時代の都市計画の名残りを偲びながらの散策を楽しむことができます。こちらは元佐渡金山鉱山長の住宅を改装したシネマカフェ、ガシマシネマ。
    「江戸時代にも都市計画があったんだ」と通りをゆっくり山側に登っていくと、右側にツタのからまるコンクリート塀の建物が現れます。

  • 少し不気味な雰囲気を感じるのは、この建物が元拘置支所だからかもしれません。昭和29年に新潟刑務所相川拘置支所として開設され、昭和47年まで実際に使用されていました。現存する木造の拘置支所は全国的にも珍しく、国の登録有形文化財に登録されています。

  • 建物内には雑居房や独居房、医療室、炊事場などがほぼ当時のまま残り、自由に見学することが可能。撮影スポットとしても人気です。

また、京町通りでは、毎年6月初旬にこの地域に伝わる盆踊り唄である「相川音頭」を踊り流す「宵乃舞」(よいのまい)という催しが開催されます。京町通りを優雅に彩るイベントで、初夏の夜、ぼんぼりの灯りが照らすなか、佐渡内外の参加団体が優雅に踊り流す様子はとても幻想的です。「宵乃舞」に合わせて佐渡旅を計画するのもよいですね。

京町通り(きょうまちどおり)

  • 住所
    佐渡市相川
  • 駐車場
    共同無料駐車場あり

古民家空間 京町亭

景色もごちそう! 島の食材で作る洋食やデザートと一緒に味わって

  • 相川エリアでのランチにおすすめなのがこちらのお店。穏やかな海を一望できるロケーションと、どこか懐かしさを感じる古民家をいかした落ち着きのある空間が自慢です。

  • 心地よい風が吹き抜けるテラス席や窓際の大きなカウンター席からは、どこまでも青い海が見えます。

  • 佐渡の魚介を使ったパスタやベニズワイガニを使ったカレー、島黒豚のハンバーグなど佐渡特有の食材を使った洋食が人気で地元のファンも多いです。こちらは『佐渡の魚介のペペロンチーノ』(1,200円)。季節の魚のソテーやイカがたっぷり入っています。

  • デザートにも力を入れていて、人気はトキの焼菓子や佐渡型のクッキーをのせた『トキのフルーツパフェのドリンクセット』(1,000円)。こちらはカフェタイムに味わってみてください。お皿には佐渡の伝統的な焼き物、無名異焼。テーブルウェアのトレーにも佐渡の竹工芸品を使うなど、さりげない佐渡らしさの演出も素敵なのです。

  • 地元の食材を使いシェフが心を込めて作る料理と、気持ちのいいロケーションで、思い出に残るランチタイムを過ごしてください。

古民家空間 京町亭(こみんかくうかん きょうまちてい)

  • 住所
    佐渡市相川八百屋町13
  • 電話番号
    0259-67-7538
  • 営業時間
    11:30~16:00(ランチはLO14:00。14:00~はカフェ営業、LO15:30。夜は事前予約により営業。季節によって営業時間の変動あり)
  • 定休日
    火曜、水曜
  • 席数
    40席
  • 駐車場
    6台