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佐渡で体験!体験プログラム特集

SDGsにもつながる・裂織で小物作り

佐渡の中心部、新穂にある「新穂歴史民俗資料館」では、素朴であたたかな伝統工芸「裂織(さきおり)」を体験できます。古くなった布を細く裂き、専用の機織り機で織り込んでいく裂織は、昔から佐渡の暮らしを支えてきた知恵の一つ。今でこそ「SDGs」や「アップサイクル」といった言葉が広く知られていますが、佐渡の人々はずっと前から布を最後の一片まで使い切り、生活の道具としてよみがえらせてきました。

裂織が盛んだったのは、新穂をはじめとする国仲の農村部。春は田植え、夏は草取り、秋は稲刈り、冬は藁細工と、農作業に追われる暮らしの中で、女性たちは夜な夜な裂き織りに向き合っていたといいます。海岸沿いの海府地域では、「ネマリバタ」と呼ばれる座り織りの機が普及し、家の居間で主婦たちがトントンと布を織る音が、冬の暮らしの風景そのものだったそうです。布が貴重だった時代、裂織は生活を守る工夫であり、家族の時間を紡ぐ手仕事でもありました。

資料館の2階には、そんな昔ながらの機織り機が、静かに展示されています。年季の入った木の風合いを眺めていると、「寒い夜、ここで誰かが布を織っていたのだろうな」と思わず想像がふくらみます。体験の前に立ち寄ると、裂織の背景がぐっと身近に感じられるはずです。

体験の指導をしてくれるのは、「新穂さっこりクラブ」の皆さん。7名のベテラン講師陣がサドベンチャーの体験日以外にも、毎月5の倍数日に集まって制作活動を続けています。体験では「立ち機(たちばた)」と呼ばれる機織り機を使い、コースターやランチマット、名刺入れにもなる厚手の布などを織り上げます。とはいえ、細かな講義はありません。クラブの皆さんも「まずはやってみること!」と笑い、あれよあれよという間に機織り機に座らされてしまいました。(笑)

まずは、「サッコリ」と呼ばれる緯糸(よこいと)になる古布を選びます。体験教室でも自由に選べるように用意されているほか、自分の思い出の布を持参する人も。家族の服、眠っていたスカーフなど、どんな布も織機を通すことで新しい姿に生まれ変わります。

経糸(たていと)も機織り機に用意してあり、古布の組み合わせは無限大! 同じ古布を使っても、色の重なり方や織る力加減でまったく違う表情になります。その偶然性こそ、裂織の醍醐味。「どんな柄になるんだろう」とワクワクしながら作る時間も楽しみの一つです。

制作時間は1時間半程度。30cmから50cmほど織ることができ、時間内に終わらなかった部分は後日スタッフが完成させてから郵送してくれます。観光の途中でも気軽に参加できるのもポイントです。裂織体験を通して、昔の人が当たり前に行っていた「ものを大切にする心」と「手を動かす楽しさ」を体験してみませんか?

  • シャトルに古布を左右に通し、足元の踏み木と呼ばれるペダルも交互に踏みます。織り込んでしばらくすると次第に柄が浮かび上がり、気づけば夢中で手を動かしている自分に驚くはず。端がたるまないように、櫛でトントンと整えるのがポイント。

  • 色とりどりの古布から好きな素材を選べる。木綿の古布は織りやすく、藍染めの古布は人気なのであればとてもラッキーだそう! 色が交錯したり、大柄になったりと、織ってみないとわからないのがおもしろい。もちろん講師の方からアドバイスを受けることもできるので、どんな柄にしたいか気軽にご相談を。

  • 体験教室は、地域の憩いの場。「寒くなってきたねぇ」「あのスーパーの野菜が安かったわよ」なんてど、ローカルな井戸端会議に参加した気分も味わえます。人々の温かさに触れながら、世界に一つだけの作品を作る時間を楽しんで。

  • 布の柄をそのまま残して織る「柄織り」を行っていたベテランさんは裂織歴20年!細かい柄は特に難しいと話すも、鮮やかな朝顔と中央のトンボの柄がはっきりと織られていました。ショルダーバックの蓋になるそうです。

  • 「今日はA4サイズのファイルも入るショルダーバッグを作っています。1時間ほどで織りあげて、ミシンで形成して3時間ほどで完成!」。
    慣れた手つきでそう話すのは、友人のお子さんが制作していたのをきっかけに、1年前に裂織デビューをしたという男性会員さん。ランチョンマットからはじまり、今ではバッグ、帽子、Tシャツのワンポイントなど、島外に住む友人からリクエストを受けるほど上達したそうです。

  • 機織り機の関係で一度に最大9名まで申込み可能。最少催行人数2名。踏み木までの高さの関係で、小学校高学年からの参加を推奨していますが、低学年でも保護者のサポートがあれば体験できます。「新穂歴史民俗資料館」では、会員さんが制作した裂織グッズの購入も可能。バッグやがま口ポーチなど、色も柄もさまざまなので、ぜひ手に取ってみてください。
    ※「新穂歴史民俗資料館」は12月1日から2月末日まで冬季休館

【サドベンチャー】伝統的工芸品「無名異焼」を作ろう!

一度は触れてみたい佐渡の伝統工芸品といえば、佐渡特有の焼き物「無名異焼」です。江戸時代、煎茶文化の広がりとともに愛された器で、使い込むほどにツヤが増すことから「育てる器」とも呼ばれています。日々の暮らしの中で風合いが育つ器は、旅のお土産としても特別な愛着が湧くはず。今回は、そんな無名異焼を気軽に体験できる窯元を訪ね、陶芸家で講師の永柳修一さんにお話を伺いました。
永柳さんは愛知県常滑市の製陶業の家に生まれ、幼い頃から土と道具に囲まれて育ちました。子どもの頃、職人が土の塊を器へと変えていく姿を見るのが不思議で仕方なかったそうです。一度は高級洋食器ブランドを扱う会社の営業として就職しましたが、奥様の出身地である佐渡に移り住んでからは、協同組合として運営していた相川にある「北沢窯」で、職人として10年間、修行を積みました。
六代・伊藤赤水が理事を務めていた窯で技術を磨きながら、相川技能伝承展示館での陶芸指導などで指導者としての経験も積み、1991年に独立。これまで数々の展覧会で受賞し、国際見本市での出展経験もある実力派です。ただ、どんな経歴を聞いても、永柳さんは飾らずに明るい笑顔のまま。「工芸は一生勉強です。好きじゃなきゃ続かない世界ですよ。」と軽やかに話します。
体験メニューで作れるのは湯のみやお茶碗が中心ですが、サラダなどを盛るための少し平たい小鉢のような形にも挑戦できます。体験は40分から60分ほど。永柳さんのお手本を見ながら説明を受けたら、さっそく電動ろくろを使って制作がスタートします。服が多少汚れる場合があるため、動きやすい服装がおすすめです。袖のひもや長い髪、指輪は作業の妨げになるので、事前にまとめたり外しましょう。焼き上がりまではおよそ2か月。仕上がった作品は、体験者のもとへ郵送されます(着払い)。
「どんなにおしゃべりな子どもでも、土に触れた瞬間、静かになる様子がおもしろいね!」と永柳さんは笑います。過去には、陶芸体験をしたことを自慢するお兄ちゃんを見て「私も作りたい!」と佐渡に来てくれた妹さんがいたというお話もうれしそうに話してくれました。また、ある展示会では、幼い頃に陶芸体験をしたお父さんが自分の子どもに「佐渡に行くと陶芸ができるんだよ」と話していたのを見て、「やってきたことは間違ってなかった」と胸が熱くなったといいます。「こうした思い出が、未来の陶芸家を生むきっかけになるのかもしれない」と。
「無名異は工芸品なので、まずは使って楽しんでいただきたいです。陶芸に興味を持った方はひと通りやると、お皿をひっくり返して、眺めながら作り方を考えたりと、器への視点が変わってくる。陶芸は深いし、おもしろいということに気が付くきっかけになってほしいですね。」と永柳さん。
佐渡での旅の思い出に、佐渡でしか作れない無名異焼の陶芸体験をしてみませんか?気さくで明るい永柳さんの丁寧な指導の元、工房で土と向き合い、佐渡の伝統工芸に触れる時間は貴重な体験となるはずです。

  • 相川金銀山と奉行所を結ぶメインストリート「京町通り」の下京町にある「永柳陶房」は、「時鐘楼」から坂を登ってすぐ。目印は赤いのぼりですが、陶芸体験日以外の訪問はお断りしています。

  • 電動ろくろの台数の関係から、2名以上の場合は交代制となります。説明や体験が終わると佐渡の陶芸の歴史などの話に花が咲き、おしゃべりを楽しむ方も。「永柳先生とのお話が楽しかった」という感想をもらうことも多いそうです。

  • 陶芸は「芯出し」から始まります。左右の手で挟み込むようにして、中心の部分に親指の付け根で上からしっかり押さえます。土の密度を均一にすることでヒビ割れ防止に。無名異焼は他の陶器に比べて焼成時の縮みが大きいため、少し大きめに成形します。電子レンジ・食洗機の使用も可能で、日常使いにぴったり。

  • 土はひんやりして気持ちよく、少し力を入れるだけで形が変わる繊細さに驚かされます。回転する土の中心を親指で押し込んだり、息を合わせてゆっくり広げていったり。指の動きに合わせて器の形がすいすいと変化していきます。最後にフチを整え、丸みが均一になったら仕上げ完了! 紐で底からスッと切り離して完成です。

  • 時間がある方は焼物の原点がわかる「手ろくろ」での制作を楽しんで。こちらでは4人一度に体験できます。自分で回転させながら「ひも作り」をする方法で、星型やハート形のお皿や、取っ手のついたカップなど、味のある作品作りが楽しめます。「子どもの感性にはハッとさせられることが多いですよ」と目を細める永柳さん。手ろくろを希望される方は、当日変更も可能ですが、できるだけ予約の際に伝えてください。

  • 永柳さんの工房では、作品の販売も行われています。体験後に、自分へのご褒美として買い求める方も多いのだとか。旅から帰ったあとも、使うたびに佐渡の時間がよみがえってくるはずです。

【サドベンチャー】鬼太鼓ってなに?!神の化身 鬼になって踊ってみよう!

佐渡島には約120の集落でそれぞれ異なる「鬼太鼓」(おにだいこ又はおんでこ)が存在し、島の人々にとっては “祭り=鬼太鼓” と言われるほど地域に根付いた伝統芸能になっています。春の訪れや秋の収穫を祝う祭りでは、鬼太鼓が集落の家々を訪れ、五穀豊穣や無病息災を祈って「門付け(かどづけ)」を行いますが、祭りに合わせて島に帰省してくる子どもたちがいるほどの熱狂っぷり。サドベンチャーでは、そんな島の祭りの本質を知ることができる特別なプランを提供中です。

鬼太鼓の背景から学ぶ奥深い体験のスタートは「さどやニッポン株式会社」の稽古場から。佐渡の伝統芸能や職人の技などを次世代に継承していくため、稲職人として朱鷺や環境に配慮した米作りや、祭りの道具の修繕・制作、映像制作やイベント運営などを、新穂から世界へ向けて活動しています。体験を案内してくれるのは、代表の相田 忠明さんです。

まずは佐渡島の鬼太鼓分布の地図を見ながら、地域ごとの文化や産業の違い、そこから生まれた代表的な鬼太鼓や祭りの数々について紹介してもらうところから始まります。その後は、実際の鬼太鼓の道具に触れたり、佐渡島の鬼太鼓の映像を視聴しながら祭り当日の熱気を感じると、体験への期待が一気に高まります...!

この体験には、国内外からさまざまな人が訪れているのだそう。
中には農耕文化を研究する香港やアメリカ、フランス、ノルウェーの参加者が、「農業文化から生まれた祭り」の背景に深く共感したケースも。横浜や大阪から来た女性はテレビで鬼太鼓を見たことをきっかけに訪れ、もともとの太鼓経験を活かして熱心に学んでいったそうです。「背景に共感してくれるのがうれしい。体験をきっかけに、祭りシーズンに二度目の佐渡旅として来てくれれば、鬼太鼓をさらに深く知ることができるはず。」と話す相田さん。“表面的な体験で終わらせたくない” という相田さんの思いが、体験者を次のステップへ導いているようです。

相田さんの熱量に触れながら、いよいよ体験の中心へ。
まずは太鼓を叩くパート。バチの種類や持ち方を教わり、「さ・あ・い・く・ぞ」のリズムに合わせて3種類の叩き方を練習します。初めて太鼓を触る人でも、自然と身体がリズムに乗っていくこの体験は参加者に大人気!続いては、鬼太鼓の踊りに挑戦。運動に慣れている方は実際に鬼や獅子の舞いにチャレンジできます。
なお、高齢の方や身体を動かしづらい方には座ったままのリズム練習や道具の解説など、参加者に合わせて柔軟にプログラムを調整してくれます。

オプションで、鬼太鼓の衣装を着用することも可能(1名5,000円/2名様まで)。台湾からの参加者がワラで作った草履で神社まで歩き、「歩くだけでこんなに大変なんて!アドベンチャーみたい!」と大喜びしたエピソードも聞かせてくれました。

鬼太鼓体験を提供する「さどやニッポン株式会社」は、職人を育て、祭りの道具を作るまつり事業部があります。体験に限らず、道具の修繕・バチ作り・藁細工制作・祭り文化の映像制作など、祭りを根元から支える事業として取り組んでおり、鬼太鼓の文化を“次の世代へつなぐ場”を目指しています。なかには、体験をきっかけに道具作りや藁細工に興味を持ったた参加者も。

ただ楽しいだけでなく、祭りの本質に触れられる体験は、佐渡島の文化がぐっと身近になる貴重な機会です。ぜひ一度、鬼太鼓の世界へ足を踏み入れてみてください。

  • 体験可能時間は10時30分〜11時30分と14時〜15時の2回(時間変更は可能)。体験料は1名参加12,000円、2名以上の場合は1名あたり6,000円。相田さんが語る鬼太鼓の魅力に参加者も思わず引き込まれます。

  • 衣装を身に付ければ、一気に祭りに参加した気分に。着用が完了したら、太鼓の前で「はい、ポーズ!」。 鬼太鼓の舞でも披露する型も教えてもらいます。

  • 集落を歩きながら神社を目指す「門付け(かどづけ)疑似体験」プランのほか、さどやニッポン株式会社では「ワラジ作り体験」も相談可能。こちらは鬼太鼓体験予約の際に佐渡観光交流機構へ相談すると案内してもらえます。

  • 「さどやニッポン株式会社」は鬼太鼓を通した交流拠点。地域や団体の壁を越え、鬼太鼓をはじめとする面や道具の修繕方法をお互いに学びあい、先人達がつなげてきた祭りの在り方をこれからも守っていきます。

  • 毎年、4月12日から14日は「山王祭(日吉神社例祭)」、6月24日から25日は「新穂天神まつり」が行われる新穂地区の祭りでは、実際の門付けを朝から見ることができます。

  • 軸となる祭り道具の職人を育てる「まつり事業部」を自立するために、道具作りの工房、芸能の稽古場、祭りを記録で残す「映像デザイン事業部」のスタジオ、収入という面で会社を支えている「イベント事業部」、祭りの料理を守る「フード事業部」の祭り茶屋御縁と、大きく4事業部がある「さどやニッポン株式会社」。それぞれが連携し、地域芸能や祭りを守ることにつながっています。

【佐渡版画村美術館】明治の面影に包まれて、版画体験に挑戦!

明治の面影に包まれて自分だけの一枚を。赤い煉瓦塀にぐるりと囲まれた「佐渡版画村美術館」は、明治21年(1888年)築の旧相川簡易裁判所をそのまま活用した版画専門美術館です。版画家で高校教師だった故・高橋信一氏が指導した「版画運動」の成果や、70名ほどの会員が「佐渡を彫る」をテーマに制作した作品が並び、暮らし、風景、芸能など、島の魅力が多彩な技法で表現されています。

「佐渡版画村美術館」では、事前予約で木版画体験(1,800円) と けしごむハンコ作り(2,000円) が可能。講師は版画村の役員さんや、島内の版画家の皆さん。小学生以上であればどなたでも体験ができ(小学生低学年は引率者の同伴が必要)、初心者でも楽しく制作できます。

木版画体験では、ハガキサイズの白黒単色刷りに挑戦! 彫りたい絵を持参する人が多く、朱鷺など佐渡モチーフが人気。美術館が用意するサンプル図も使用できます。版木に彫りたい絵を写した後は、黙々と集中する「彫り」の時間。アートセラピーのような癒し効果のがあるのか、島内の版画家からも「彫る時間が一番楽しい」といった声が。版木から出る木の香りに包まれながら、ショリショリと彫り勧めていきます。

最後は「刷り」の作業へ。体験では3枚刷ることができ、一番うまくできた1枚をマット付きフレームで持ち帰ることができます。彫った版木も持ち帰ることができるので、年賀状用のモチーフを刷って自宅で増刷してもいいですね。彫る苦労があるからこそ、刷った時の仕上がりに感動がある版画。彫って、刷って、仕上がりを見るまでわからない緊張感も、この体験ならではです!

「版画に一生懸命向き合う体験者の方々の姿を見ると、版画の文化はまだ廃れていないとうれしくなるんです」と、佐渡版画村美術館の加藤さんは話します。

昔ながらの技法を通じ、佐渡の風景や暮らしを描き続けてきた佐渡版画村美術館の歴史は、記録としてもとても貴重。赤レンガ塀の静けさに包まれた、美術館ならではの創作のひととき。佐渡の文化に触れる入口として、ぜひ世界にひとつの版画を作ってみてはいかがでしょうか。版画体験の料金には、美術館の見学料も含まれているので、ぜひゆっくりと館内を見学してみてくださいね。

  • 情緒あふれる佐渡版画村美術館。
    美しい庭を望む廊下に飾られたハガキサイズのものや、島の支援と文化を一枚に描写した横6m×縦4mの巨大な作品まで。木版画・銅版画・シルクスクリーンなど、色使いや作風が多彩な版画に出会えます。

  • 必要なものはすべて美術館で準備してもらえます。夏(5〜9月)は予約が混み合うため、版画体験教室を希望される方は、2週間前を目安に候補日を2~3個、お電話またはメールでお伝えください。12〜2月は休館となります。

  • 下絵を版木に写したら、彫刻刀を使い、ひたすら彫る作業へ。講師の方が特に注意してほしいと話すのは「文字の反転」。完成してから「あれ、逆だ!」となりがちなのだそう。

  • 刷りのポイントは「インクをつけすぎないこと」。ローラーで均一に伸ばし、丁寧に1枚ずつ刷りあげます。黒一色刷りでも仕上がりには個性が出るのが版画のおもしろさ!

  • 版画体験教室の部屋には、版画に関連する資料がずらり。佐渡の版画の歴史や、奥深い技法・表現をこの機会に学んでみましょう。

  • 佐渡版画村美術館売店では、彫刻刀や版木、インクなどがセットになった「版画キット」も販売中。ぜひご自宅でも版画を自由にお楽しみください。

【尾畑酒造 学校蔵】未来のために佐渡のファンを増やす!学校蔵 酒造り体験プログラム

日本の縮図ともいわれる佐渡島。広大な田園風景が広がる国仲平野を進み、真野湾を見下ろす西三川(にしみかわ)の坂を上ると、かつて旧西三川小学校だった建物をそのまま生かした酒蔵「学校蔵」が姿を現します。ここは、代表銘柄「真野鶴」で知られる尾畑酒造が2014年に開設した第二の酒蔵。酒造り・共生・交流・学びの4つを理念に掲げ、循環型の取り組みを実践する“サステナブル・ブリュワリー”として注目されています。
酒造りでは原料だけでなくエネルギーも佐渡産にこだわり、蔵には太陽光パネルを導入。醸造過程で生まれる酒粕や麹は、併設の「学校蔵cafe」で地元食材と掛け合わせた発酵メニューとして提供し、食品ロス削減にもつなげています。
この循環の取り組みの一つとして生まれたのが、物語を伝え、酒造りと佐渡のファンを育てるための「学校蔵の酒造り体験プログラム」。清酒製造の核となる「製麹」から「三段仕込み」まで、720ml瓶で約2,000本に相当するタンクを酒蔵のスタッフと参加者で造り上げるという、全国的にも珍しい長期体験です。
コースは「一週間コース」と「上級コース」の2種類があり、どちらも一週間かけて酒造りに取り組む点は同じですが、実際に日本酒造りを体験したい方向けの「一週間コース」に対し、2025年から新設された「上級コース」では、前・新潟県醸造試験場長による専門講義とQ&Aを実施。より深い知識を求める方におすすめです。

また、このプログラムは “未来のために佐渡のファンを増やす” ことも大きな目的のひとつ。島の成り立ちを学んだり、酒米の育つ田んぼを見学するなど、佐渡で酒造りが完結する恵まれた環境を五感で理解する時間が設けられています。

1日目の夜には、尾畑酒造本社のある真野新町でウェルカムディナーも開かれます。地域の飲食店や島の人々との交流が生まれ、「滞在中に行きつけができた」という参加者も。2日目は夜の麹作業があるため蔵に泊まりますが、3日目以降は町中でに宿泊。自然と地域との関わりが深まるのも魅力のひとつです。実際に、「佐渡の旬の食材を楽しめた」「宿の人と仲良くなって一緒にSUPを体験した」など、プログラムを通して島の暮らしを満喫する声も多く寄せられているのだとか。現在、参加者の約8割は海外から。日本酒ビジネスを志す方、レストランのシェフやソムリエ、酒類の輸出入関係者など職種も年齢も国籍も多様です。

一週間の酒造りと島の暮らしを体験し終える最終日には、学校らしく卒業式を実施。仕込んだタンクへチーム名やサインを書き込む瞬間は感慨深く、涙を浮かべながら別れを惜しむ方も。杜氏と抱き合って再会を誓う姿を見ると、プログラムの意義を実感するそうです。 卒業後も何度も佐渡に通うリピーターや、二拠点生活を始める人まで現れ、卒業生同士で構成される「同窓会」も発足。「学校蔵」から人の循環が生まれ続けています。
土地を知り、人とつながり、仲間と酒を造る。「学校蔵」は、単なる酒蔵でも体験施設でもなく、世界へ広がるコミュニティの入り口そのもの。酒造り体験のハードルが高いという方は、併設の「学校蔵cafe」で発酵ランチやドリンクを味わったり、1〜2時間で気軽に学べる「特別テイスティングコース」に参加してみては。酒が生まれる佐渡の豊かさと、ここに息づく物語が感じられるはずです。

  • 酒米作りの現場となる田んぼも見学します。標高の高い山々から澄んだ水が平野へと流れ込み、秋には一面が黄金色に染まる佐渡の田園風景。この土地から酒が生まれるという実感がじわりと湧いてきます。

  • 1週間にわたる工程をより深く理解してもらうため、プログラム前半にはオリエンテーションが行われ、各作業の意味や酒造りの全体像を丁寧に学びます。専門的な官能検査を体験できる利き酒実習や、酒米の育つ環境を知るためのフィールドワークなど、仕込み以外の時間も充実。2025年からスタートした「上級コース」では、特別講師を招いた酒造りの講義が加わり、より専門性の高い知識を身に付けられる内容になっています。

  • 2日目の夜だけはプログラム中で唯一「学校蔵」に宿泊し、夜の製麹作業に挑戦します。数時間おきに麹室へ向かい、温度や湿度を確認するという工程は初めての人には少しハードに感じられますが、「酒造りの大変さを実感できた」「蔵人の仕事への尊敬が深まった」と、参加者からは好評。夜を徹して麹と向き合う時間は、このプログラムならではの特別な体験です。

  • 最終日にはチームで仕込んだタンクにそれぞれサインを記入します。タンク一つ分を丸ごと自分たちの手で仕込んでいるからこそ、「本当に自分たちでお酒を造ったんだ」という実感が湧くそう。完成した日本酒は後日1本プレゼント(国内配送のみ)。参加者にとっては “卒業証書” のような1本になります。

  • 学校蔵を短時間で味わいたい方におすすめの「特別テイスティングコース」。スタッフが学校蔵の成り立ちや役割を解説しながら、仕込み蔵や各エリアをご案内します。ツアーの後半には、代表銘柄「KANADEL(かなでる)」をはじめとした自慢の日本酒を、ペアリングとともに利き酒できるテイスティングを用意しています。数時間でも学校蔵の魅力がぎゅっと凝縮された、満足度の高い“授業”です。

  • 日本で一番夕日がきれいといわれる小学校から、一番景色の良く見える旧教務室をカフェに。毎週金・土・日曜日の10時から16時に営業。酒粕や麹と地元食材をかけ合わせた発酵メニューを楽しんだ後は、日本酒・佐渡・地域振興に関する書籍が自由に読める「図書室」へ。館内ではお酒の試飲や、佐渡らしいお土産の購入もでき、短時間の滞在でも学校蔵の世界観をしっかり味わえる空間になっています。