1. 佐渡を紹介 さどじまん
  2. 旅の夜に訪れてほしい飲み屋さんレポ。ハッキリ言います。個性的でいい店ばっかりです!

旅の夜に訪れてほしい飲み屋さんレポ。ハッキリ言います。個性的でいい店ばっかりです!

旅の夜に訪れてほしい飲み屋さんレポ。ハッキリ言います。個性的でいい店ばっかりです!

地元の人はもちろん、観光客にも人気のお店を6店ピックアップ。個性ある料理とおいしいお酒、そして「ようきたね!」とあたたかく迎えてくれるお店ばかりです。思い出に残る佐渡の夜をお過ごしください。

ライター:霜鳥彩 しもとりあや(「月刊にいがた」編集長)

グルメ、観光、イベントなど新潟ライフを楽しむための選りすぐった情報を発信するタウン誌「月刊にいがた」の編集長。酒好きを公言し、休肝日はナシ。ビール党ながらもワイン、日本酒まで守備範囲は広く、新潟産のお酒を愛飲している。

カメラマン:風間彰充

居酒屋しらつゆ

刺身盛合わせは必食! 佐渡の海のパワーがそのままお皿の上に盛られています

両津のまちなかにお店を構える居酒屋しらつゆ。当たり前ですが、佐渡はとにかく魚がおいしい。どこのお店で食べても非常にハイレベルです。でも、初めてこの店のお刺身を食べた時に、思わず「うまい!」と声が出てしまったほど、お刺身が特別においしかったことを今も覚えています。

  • 両津で長く愛されている居酒屋さん。父も旦那も元漁師という店主の加藤百合子さんが、スタッフのみなさんとともに切り盛りしています。
    たくさんの漁師仲間から直送される新鮮な佐渡の海の幸を使った料理が主役。ほかにも庶民的なメニューが多く、地元の人たちはもちろん、島外からの観光客にも人気のお店です。

  • 特にお刺身は必ずオーダーしてほしい一品。好きな魚の単品もいいですが、初めてなら『刺身盛合わせ』(1人前1,200円)を推薦。「これ2人前では!?」というくらいのボリューム感で登場します。「私は元々主婦だし、特別なことは何もしていないよ。ただ、島で揚がった魚を新鮮なうちにお刺身にするだけ」と謙遜する加藤さん。ですが、そのおいしさは鳥肌モノです。

  • 大漁旗が飾られた純和風の店内は、飾らない雰囲気でとっても居心地のよい空間。気さくで、あたたかいもてなしをしてくれる加藤さんの人柄がそのまま出ているお店です。

  • 「お客さんたちが帰り際に“おいしかった~”って言ってくれるのは、やっぱりうれしいよね。それがお店を続けられている理由かな」と笑顔で話してくれました。
    店内奥のカウンター席には地元の常連さんの姿も。取材の際の晩酌中の常連さんの言葉が忘れられません。「しらつゆにも佐渡のスーパーにも、その日獲れたばかりのイカが並ぶわけよ。同じイカのはずなのに、自分で刺身にして食べるよりも、ここで食べる刺身の方がなぜか断然うまいんだよ! もう何十年も通っているけど、その理由は分からないんだよなぁ(笑)」。

  • お刺身のなかでもイカのうまさは筆者も痛感したところ。みなさんもぜひ、佐渡の地酒とともにそのうまさをお確かめください。人気店ゆえ、来店の際は必ずご予約を!

居酒屋しらつゆ

  • 住所
    佐渡市両津夷189-5
  • 電話番号
    0259-23-5288
  • 営業時間
    17:30~23:00(LO22:30)
  • 定休日
    日曜
  • 席数
    23席
  • 駐車場
    店舗近くに共同無料駐車場あり

樋口食堂

地元民に愛される老舗食堂で飲む。アテは食堂メニューか、それともすしか

店名の印象だけでのれんをくぐった人はきっと驚くはず。

  • そこにはすし屋さんのカウンターが! その中ではすし職人さんが黙々とすしを握っています。樋口食堂は国道350号沿いにある老舗の食堂。

  • 初代が食堂として創業し、東京・秋葉原のすし店で修業した好三郎さん(写真右)が2代目として婿入りしたことで、すしと食堂の2本柱に。現在は息子で3代目の慶一さん(写真左)と好三郎さん・きよみさん(写真中)ご夫妻の3人で営んでいます。
    写真からも伝わると思いますが、ご家族皆さんとても朗らか。なかでも好三郎さんは冗談が大好きな楽しいお方で、カウンター越しに常連さんとの会話に花を咲かせ、店内には明るい笑い声が響いています。

  • 一転、すしを握る表情は真剣そのもの。一貫一貫心を込めて握ってくれます。

  • にぎりは1,200円から。写真は『松にぎり(上)』(2,000円。お吸い物付き)。厚切りのマグロや脂ののったブリなど7貫を味わえます。言うまでもなく絶品!
    こちらで日本酒をちびりちびりといくのもいいですが、お酒の進む食堂メニューも味わいたい!

  • お酒のアテに人気なのが『かつ煮』(730円)。揚げたてのぶ厚いカツを甘めのタレで煮て、卵でとじた、いわゆる「カツ丼のあたま」です。タレが染み込んだカツをビールで流し込む――言うまでもなく最高です。

  • シメにおすすめなのが『ラーメン』(650円)。丸鶏と煮干し、昆布でダシをとったあっさりスープと、ストレートの細麺の組み合わせ。製法は初代の頃から変わっていないそう。やさしい味わいで、飲んだ後の胃にするすると収まります。「二日酔いの時に食べたくなる」という常連さんもいるというのもうなずけます。
    なお店内にはテーブル席や小上がり席もあり、食事のみで利用する人も多数。食事メニューではラーメンのほか、『肉丼』や『焼豚チャーハン』などが人気だそうです。昼営業も行なっていますが、好三郎さんとの会話を楽しみたい人はぜひ夜に足を運んで、カウンターに陣取ることをおすすめします!

樋口食堂(ひぐちしょくどう)

  • 住所
    佐渡市吉井本郷502-5
  • 電話番号
    0259-63-6645
  • 営業時間
    11:00~14:00/17:00~21:00
  • 定休日
    日曜
  • 席数
    36席
  • 駐車場
    あり

四季菜割烹 伝

地魚のうまさを真摯に伝える和食店。名物の焼鯖棒寿司と地酒で乾杯

国中平野が広がる畑野地区に店を構える四季菜割烹 伝。落ち着きのある純和風の雰囲気のなか、肩肘を張ることなく佐渡産の地魚や野菜を主役にした和食と佐渡の地酒を存分に味わうことができます。

  • オープンは2015年。曽我真人さん・裕美さんご夫婦が営んでいます。

  • 「寒ブリやサバ、ヒラメ、アンコウにカツオなど。秋から冬にかけてはこれらの魚が旬を迎えます。私は料理人ですが、料理するというより佐渡の魚自体が本当によいものばかりなので、そのよさを伝えるのが自分の役割だと思っています」と真人さん。

  • 見てください! このおいしそうに輝くお刺身。盛り付けにも真人さんの職人技が感じられます。季節の移ろいとともに、日々港で揚がった地魚を使ったお刺身は何よりも味わってほしい逸品。そのほかにも旬の佐渡産食材を使って店主がひと手間をかけた和の一品料理が用意されているので「本日のおすすめ」を中心に味わってみてください。お酒は佐渡の日本酒をたっぷり揃えていますので、気になるものから順番に飲むか、女将におすすめを聞いて飲んでみるのもよい楽しみ方です。

  • そして、ここに来たらぜひとも食べてほしいのが『焼鯖棒寿司』(900円)。光り輝く焼きサバが主役の棒ずしで、お酒のつまみにもシメのごはんにもぴったりなのです。
    「そもそも、あったかいすしというのが珍しいですよね。佐渡のサバは本当にうまいし、特に脂が乗っている時期のサバは最高です」と真人さん。佐渡で揚がった身の厚いサバを塩と酢でしめ、ゴマとショウガを加えた少し甘めのシャリと合わせて棒状にします。そして、一晩寝かせて、直前に焼き上げて提供。凝縮されたサバのうまみと絶妙の塩加減、そしてシャリの甘さが口のなかで見事なハーモニーを奏でてくれます。おつまみにもなるので「すいませ~ん! 日本酒をもう一合」なんて言ってついつい飲み過ぎてしまうことも(笑)。

  • 着物で迎えてくれる女将にお酌をしてもらったら、そりゃ飲み過ぎちゃっても仕方ないかも知れません(笑)。「佐渡の魚のおいしさを感じてもらって、笑顔になって帰っていただくのが私の仕事です」と話す裕美さんの素敵な笑顔とあたたかいもてなしもまた、このお店の大きな魅力と言えます。

    季節の地魚を主役にした和食をお酒とともにゆっくりと味わえる人気店。お店から遠く離れた相川や南佐渡エリアでの宿泊にもかかわらず、わざわざここで夕食という人もいるというから、その人気ぶりは本物。行きたい日が決まったら、必ず電話をして予約してください。秋から冬にかけては魚種も豊富になるので、佐渡の地魚を楽しむ旅には一番いい季節ですよ!

四季菜割烹 伝(しきさいかっぽう でん)

  • 住所
    佐渡市畑野126-5
  • 電話番号
    0259-67-7161
  • 営業時間
    11:30~13:00/17:00~21:30(土祝は夜のみ営業)
  • 定休日
    日曜
  • 席数
    25席
  • 駐車場
    3台

割烹ごしま

職人肌の店主が作る地物の魚を使った料理は絶品! おまかせコースで堪能を

真野市街地、商店が建ち並ぶ国道350号から一本海側に入った通りに、割烹ごしまはあります。

  • 立地は隠れ家的ですが、普段は常連さんが集い、週末には観光客も足を運ぶ人気店です。

  • カウンターで迎えてくれるのは店主の五島昌一さん。奥様とともにお店を営んでいます。
    お客のお目当ては、五島さん自ら仕入れてくる新鮮な地物の魚を使った料理。海がしけて地物が手に入らない時は、魚料理の提供はお休み。こだわりがうかがえます。「ふらっと来てもらっても出すものがないこともあるから、事前に電話してから来てもらいたいね」とのことです。

  • ということで、事前にお願いして用意してもらったのがこちらのコース。料理だけで2,200円。内容はおまかせで、この日はお刺身のほか、サマツというキノコを使った松茸の土瓶蒸し風鍋、タラの肝やメギスなど4種を盛り合わせた焼物、ニンニクのきいた魚のすり身の挟み揚げの4品でした。4品とはいえ、ひとつひとつの料理のボリュームがすごい! ひとりで食べきれるか心配になるほど。

  • なかでも目を見張ったのがお刺身。この日はブリ、カンパチ、アジなど、なんと10種の盛り合わせでした。イカだけでも数種類。お刺身好きにはたまりません!

  • 料理には地元・真野の酒蔵、尾畑酒造と逸見酒造の日本酒(1合370円~)を合わせるのがおすすめ。この日は逸見酒造『真稜』の生貯蔵酒をいただいたのですが、香りは華やかでありながらすっきりとした味わいで、魚料理にとてもよく合いました。希少な銘柄を飲める時もあるそうなので、ぜひ五島さんに聞いてみてくださいね。
    また、カウンターで同席したご常連さんいわく、『バラ寿し』もおすすめだそうです。食べたい方はぜひ予約時に注文を。

割烹ごしま(かっぽうごしま)

  • 住所
    佐渡市真野新町172-4
  • 電話番号
    0259-55-3138
  • 営業時間
    17:00~22:00
  • 定休日
    日曜
  • 席数
    39席
  • 駐車場
    あり

焼きとりやじま 本店

島民LOVE!の焼鳥店。カウンターで肩を並べれば旅の夜はさらに楽しくなる

島内に2店舗を構える焼きとりやじま。佐和田海水浴場が目の前にある本店は「はまやじ」の愛称で親しまれ、仕事を終えたサラリーマンや島外からの旅人などが肩を並べ、自慢の焼鳥とお酒を楽しむ姿が日常です。

  • 主役はもちろん炭火で焼き上げた焼鳥。店主の矢島 拓さんが厳選し、下ごしらえをした鶏肉を一本一本じっくりと焼いていきます。どの部位もおいしいですが、必ず食べてほしいのが佐渡牛串、イカとんび、手作りつくねの3品です。

  • シンプルに塩コショウでいただく佐渡牛は、お肉本来のうまみが凝縮。噛むほどにうまみが口の中に広がります。イカとんびは日本酒との相性が抜群! そして、手作りつくねは粗めの食感がクセになるうまさです。

  • 旅で訪れた時にぜひ座ってほしいのがカウンター席。ここに座ると、次々に焼鳥を焼いていく店主の手元を眺めながらおいしいお酒と焼鳥を味わうことができるからです。そして「佐渡は楽しいね~」なんて話していると、いつの間にか隣に座っていた地元の人とも話が弾んだりすることも。でも、そんな風に過ごす夜こそ佐渡旅の何よりの楽しみだと思うし、忘れられない思い出になりますよね。

  • 「地元の人、島外から旅に来てくれた人、そして海外から来てくれる外国人の方。みんなが出会えるような店にしたいんです」と矢島 拓さん。焼鳥のメニュー表に英語表記を載せていることからも、外国人観光客が楽しめるようにという、店主の気持ちが伝わってきます。

  • お酒はビールに焼酎、ワインなど幅広くラインナップしていますが、島内5蔵の日本酒飲み比べセットも用意しています。焼鳥をほお張りながら佐渡の日本酒をグイッと飲めば、それはもう最高に幸せな時間です。

  • 「周辺には個性的でいい宿がいくつもありますし、みんなで協力しながら、佐渡に来てくれた人たちの満足度を上げていきたいんです。それがまた次に来てもらうために何より大事だと思うので」。佐渡に来た人たちを楽しませたい――そんな熱い思いを持つ店主が営む佐和田の社交場。ぜひ、出かけてみてください。

焼きとりやじま 本店(やきとりやじま ほんてん)

  • 住所
    佐渡市河原田諏訪町208-219
  • 電話番号
    0259-57-2225
  • 営業時間
    17:00~21:00
  • 定休日
    日曜、月曜
  • 席数
    24席
  • 駐車場
    店舗近くに共同無料駐車場あり

炙り屋 ちゃらくらげぇ

お酒が進む! 炭火でおいしさを引き出した佐渡食材の数々

炙り屋 ちゃらくらげぇがあるのは、さまざまなお店が軒を連ねる相川の天領通り。「ちゃらくらげぇ」と書かれた看板が目を引きます。

  • ところで「ちゃらくらげぇ」ってどういう意味の言葉なんでしょう?
    店内に入って、さっそく代表の川岡孝之さんに聞いてみました!

  • 「ちゃらくらげぇは、佐渡の方言で“いいかげん”とか“ちゃらんぽらん”といった意味の言葉なんですよ」。
    アツアツの焼き台の前で、炭の火加減を見ながら答えてくれた川岡さん。対応はとても誠実で、決して「ちゃらくらげぇ」な方ではなさそうです(笑)。
    そう、こちらは、佐渡産の旬の魚や野菜などを炭火で炙って提供する炙り料理の店。インバウンドも含めた島外からのお客さんに佐渡の食材のおいしさを伝えたいと、3年前に居酒屋からリニューアルしました。
    壁に貼られた札からも分かるように、とにかくメニューが豊富。悩んだ末にひとまず『いか丸干』(700円)を注文しました。

  • 使っているのは、川岡さんが「ここのが一番おいしい!」と太鼓判を押す、地元・相川の今井茂助商店で作られた丸干し。丸干しはイカの肝(内臓)が入ったまま干し上げたもので、島外ではなかなか食べられないですよね。こちらを炭火で炙って提供してくれます。あわせて、人気が高いという『キャベツ炙り』(500円)も注文しました。

  • 『いか丸干』はほどよい歯ごたえと塩気、ワタの濃厚さが最高。1/4個分くらいの大きな塊のまま焼き上げた『キャベツ炙り』は、しっかり火が通っているのに驚くほどシャキシャキ。添えられた肉味噌と一緒に味わいます。いずれも炭火焼きならではの香ばしさもたまりません。
    丸干しには日本酒がハマりそうですが、この日は珍しい佐渡の地ビール、SADO LAND BEERの『TANEMAKIZARUーヴァイツェンー』(900円)をチョイス。フルーティな味わいでとてもおいしかったです。

  • レトロな雰囲気の店内は、川岡さんがDIYで作り上げたそう。とても居心地がよく、長居してしまうこと必至です。また川岡さんは地元・相川を盛り上げる活動にも積極的。「佐渡金山が世界文化遺産に登録されたら、相川を訪れる人も増えるはず。若手が頑張って相川を盛り上げていかないと!」と話してくれました。

  • 川岡さんとの会話を楽しみたいなら焼き台の前がおすすめですが、この場所、特に夏はとにかく暑く「変態席」と呼ばれています(笑)。この席に挑むか挑まないかは、あなた次第。

炙り屋 ちゃらくらげぇ(あぶりや ちゃらくらげぇ)

  • 住所
    佐渡市相川一町目13
  • 電話番号
    0259-74-2067
  • 営業時間
    18:00~23:00
  • 定休日
    水曜
  • 席数
    29席
  • 駐車場
    なし